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モンテーニュ「随想録」
昨夜はモンテーニュの「随想録」を少し読んで落ち着いた。関根秀雄訳の電話帳みたいな分厚い一冊本が枕元においてある。
最初に読んでから30年近くたったが、この本の意味が少しわかった。 モンテーニュの観察の中にある歪み。それをレヴィ=ストロースも問題にしていた。 歪んでいることの良さ。みんな自分がまっすぐだと思って基準にするから他が曲がって見えるのね。みんな少しずつ曲がっていると思ったら。 それと常識ね。 どちらもずーっとぼくが理解できなかったものだ。というか反発しかできなかった。 フランス人はこの本を好んで読むらしい。 それはフランスの保守的精神と関係があるでしょう。 保守主義があることのすばらしさ。それは文化・文明があるということだ。 日本ではそれが破壊されてしまった---という言葉が口をついて出そうになる。 でも文化とか文明ってそんなに簡単に破壊されるものなの? ぼくの見ているものが悪いのかもしれない。こうやってパソコンに向かって毎日「情報」を眺めている。ここには保守主義も過去もないらしい。 もうちょっと違うものをしっかり眺めなさい、とモンテーニュに言われたのかな。 30年目にしてあの親父さんが初めてぼくに何かを言ってくれた。
by shib2
| 2005-07-21 09:54
| 仕事日記
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