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和紙のあかりや器を作るアーチストです。57歳。肺にガンが見つかりました。生きることに全力を挙げる毎日が始まりました。
by shib2


走り書き

何か持って出るものはありませんかと聞かれた。急に聞かれれば「ない」と答える他ない。ゆっくり考えればふるさとそのものだし具体的にいえばお寺の大クスノキなのだがその時間はないと言う。
妻はもう服を着て待っている。
いつもの出発前の時間だ。
ワゴン車が待っている。中には知らない家族連れが乗っている。こんなときつい乗ってしまうのは本当の私なのだろうか?
電灯を消してみてもこの現実は消えない。
家ではまだ好きな音楽が鳴っている。
これはこれを読むあなたに残す走り書きの私のメモだ。
by shib2 | 2005-10-12 11:15 | 詩やお話
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